東京国立近代美術館で開催されている「杉本博司 絶滅写真」を見に行ってきました
先日、東京国立近代美術館で開催されている**「杉本博司 絶滅写真」**を見に行ってきました。
杉本博司さんといえば、写真という枠にとどまらず、建築や舞台芸術など幅広い分野で活動されている現代美術作家。
今回の展覧会のタイトルは、「絶滅写真」。

【1】「絶滅写真」が意味するもの
今回の展覧会の中心になっているのは、杉本博司さんの芸術の原点でもある銀塩写真です。
現在はスマートフォンやデジタルカメラで撮影し、パソコンやスマートフォンの画面で写真を見ることが当たり前になりました。
しかし杉本さんの作品は、撮影だけでなく暗室での現像やプリントまで含めた銀塩写真の技術によって生み出されています。
東京国立近代美術館の展覧会紹介でも、写真がデジタルへ置き換わった現在、こうした銀塩写真の技法そのものが「絶滅が危惧される」ものになっていることが紹介されています。
だからこその、「絶滅写真」。
写真そのものが絶滅するという意味ではなく、ひとつの写真を生み出すための技術や文化、そして写真との向き合い方まで含めて考えさせられるタイトルだと感じました。
【2】約50年にわたる杉本博司さんの銀塩写真
今回の展覧会では、1970年代後半の初期作品から現在まで、約60点の銀塩写真を見ることができます。
初期の代表作として知られる〈ジオラマ〉や〈海景〉をはじめ、〈スタイアライズド・スカルプチャー〉では新作も初公開されています。
約50年という長い時間の中で撮影されてきた作品を、一つの展覧会の中でまとめて見ることができるのは、とても贅沢でした。
特に杉本さんの写真は、ただ「きれいな写真を見る」という感覚とは少し違います。
作品の前に立っていると、
これは写真なのか。
時間を見ているのか。
記憶を見ているのか。
そんなことまで考えてしまいます。
写真を撮ることが好きな自分にとっても、とても刺激になる展覧会でした。
【3】デジタル写真の時代だからこそ感じるもの
今は写真を撮れば、その場ですぐ確認できます。
露出も色も後から調整できますし、AIを使えば今まで難しかった処理まで簡単にできるようになってきました。
自分自身も写真を撮るので、こうしたデジタル技術の進化には大きな恩恵を受けています。
だからこそ今回、銀塩写真を極限まで追求した作品を実際に目の前で見ると、いろいろ考えさせられました。
便利になることと、作品の価値は必ずしも同じではない。
撮影することだけではなく、
「最終的に何を見せたいのか」
という部分が写真では一番重要なのかもしれません。
これは写真だけでなく、美容の仕事にも少し似ている気がします。
新しい道具や技術はどんどん登場します。
でも最後に人の心を動かすのは、単純に「最新の技術を使ったから」ということではありません。
技術を使って、何を表現するのか。
そんなことを改めて考える時間になりました。
9月13日まで開催しているので、興味のある方は是非行かれてみてください。
杉本博司「絶滅写真」開催情報
展覧会名: 杉本博司 絶滅写真
会場: 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー
会期: 2026年6月16日(火)〜9月13日(日)
開館時間: 10:00〜17:00
金曜・土曜: 10:00〜20:00
※入館は閉館30分前まで。
詳しい開催情報は東京国立近代美術館の公式ページをご確認ください。
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